「今日はこれまでだ」

鐘の合図と共に生徒達は、教授が言葉を言い終わる前に退出して行った
その波に乗ってリンもマリアと一緒に荷物をまとめて廊下へと向かう
いつも通りの事だったけど・・・・

「Miss,シンジョウは残りたまえ」
「ぁ、はい・・・」

リンにとって運良くなのか運悪くなのか次の授業は無く・・・
マリアは哀れみを含んだ顔でリンを見てから廊下へと出て行った
自然と2人っきりの状況になってリンは戸惑いを隠せていなかった


「シンジョウは魔法薬学に興味があるのかね?」
「ぇ、・・・えぇ少しですが・・・」
本当はスネイプ教授が教えてるから頑張ったんだけど・・・
と心の中で付け足しておく

「そうか・・・」
と呟いて教授は教室の隅に置いてある本棚へと向かって歩き出した
そして本を選ぶように手を滑らしていく
その指の動きがあまりにも綺麗で、リンはぼけーっと見てしまっていた

「? 何か気になる本でもあるのかね?」
「あっ!!いえ、何でもありません!」

そう否定するとスネイプは一冊の本を手に取った
そしてリンの方へと歩みを進める
リンの目の前まで来るとスネイプはその本を突き出した

「これは『魔法薬の総て』の続巻だ」
「は、はぁ・・・?」
リンの間が抜けた声にスネイプは顔をしかめる

「別に読みたくなかったら良いのだ」
「ぁ、い、いえ!読みたいです!!ぜひ読ませてください!!」
スネイプの手にある本をそっと取り、中をめくって見る
魔法薬の作り方が動く絵で説明されていて分かりやすそうだった

「返すのはいつでも良い」
「ありがとうございます!!なるべく早く読みます」

意気揚々と答えたリンの様子を見てスネイプは思わず微笑を浮かべたが
リンは勿論、本人さえその事に気付いていなかった

「それでは、失礼します」
そう言って頭を下げ、本を大切に抱えながら
リンは寮へと足を速めた