周りにいる生徒達は、信じられ無い光景に目を見開いたまま動けなかった
突然黒板の前から駆け出したスネイプ
向かっているのはハッフルパフの生徒達が固まって座っている席
その顔は、いつもの無表情で不機嫌そうでは無く
一心不乱に慌てて、今まで誰も見た事が無い必死な表情を浮かべていた
そしてスネイプはある生徒の席へと着くと
駆け出したままの勢いでリン・シンジョウの左腕を掴んだ
スネイプの手がくい込む程の力で
その瞬間
「っ!!離してっ!!!」
バシッ
リンは大声を上げて、スネイプの手を力いっぱい叩き落とした
あまりにも激しい痛みに、顔を苦痛に歪ませて
「っ!Miss,シンジョウ、その手に持っている物をどうする気だ?」
その時初めて自分が叩き落とした大きな手は、スネイプだったのだと気付き
リンは呆然と動けないままだった
「もし、この状態の鍋に入れただなら爆発するのだが?
この程度も知らないようじゃ、魔法薬学のトップがきいて呆れる・・・」
スネイプの言葉が、リンの頭で響いていた
無意識のうちに瞳からこぼれた雫がリンの頬を伝っていた
スネイプはリンのその様子に驚き、目を見開いた
「・・・っ、申し訳ありませんでしたっ・・・!」
声を震わせて、リンは一目散に廊下への扉に向かって走る
スネイプやマリアの呼びかけにも答えぬまま・・・
あまりにも急な展開に、教室は一瞬沈黙が漂う
スネイプはハッと何かを思い立ったかのように
眉間のシワをいつも以上に寄せて、教室に響く声を張り上げた
「残りの時間は自習だ!!各自片付けに入れ!!」
杖を振るい、リンの鍋を一瞬で片付け
生徒達を一瞥してからローブを翻し、リンの後を追って
教室を後にした