「ドラコ、廊下中に声が聞こえる・・・。一体何事だ?」
「ス、スネイプ先生!!」

柱の影から現われたのは、セブルス・スネイプ教授だった


しかし、いつもなら顔色一つ崩す事無く、冷静沈着な教授が
なぜか顔色も良く
ハァッ、ハァッとより早く酸素を取り込もうと呼吸を荒くし
服装と共に髪型も乱れていた

始めて見たそんな我が寮監の姿に、つい僕は呆然となった


「ぇ、あの・・・、実は・・・「シンジョウ!?」
「え?」


意識が軽く飛んでいたが
早くリンを連れて医務室に行かなくてはいけない事を思い出し
教授に説明しようと声を上げた
しかし、その声はスネイプの廊下にも響く大声で遮られた
そんな光景に、更に大きく目を開く


「シンジョウ!?ドラコ、この傷はっ!?」
「わ、分かりません・・・。
授業が終わって寮に戻ろうとしていたらリンが此処で泣いていて・・・」

「・・・そうか」

先ほどのスネイプ教授の大声で、ギャラリーが僕達の周りに集まり始めた
だが、教授はそれも気にせずリンの腕を診て
流れ続けている血を、自分のハンカチの様な布で止血する


そのまま腕の血が止まりつつあるのを確認してから、安堵のため息をつき
スネイプ教授は、すぐさまリンの膝の下に手を回した
さっき僕がやったように・・・


ザワッ

そして、辛さなど微塵も見せずに、軽々とリンの体を持ち上げた
ギャラリーのざわめきが、より大きくなる
そんな生徒達を、僕は軽く睨みつける
スネイプ教授も先ほど以上に大きな声で、生徒達に向かって言葉を発した


「黙れっ!!病人の傷に障る!!・・・チッ・・・ドラコ、行くぞ」
「は、はいっ」


そう言って、颯爽とスネイプ教授は医務室の方向に歩き出して
僕はその後ろをついて行く
足の長さが違う所為か、僕は思はず小走りになっていた
だが、スネイプ教授は僕の事など気にせずに、スタスタと進んでいく


僕が出来なかった事を、余裕にやってしまったスネイプ教授・・・
そんな教授の後姿を見て
尊敬の心と、嫉妬心を抱き

僕は強く、強く拳を握り締め、また唇を噛み締めていた・・・