『調子に乗ってんじゃないわよ!!』
『日本人のくせに!!なんで此処に居るのよ!!』
『ドラコを断るなんて、何様のつもり!!?』
真っ赤に染まった封筒から、大声が響く
リンは何が起こっているのか、全然理解できなかった
パサッと封筒が落ちる音だけが聞こえて
証拠隠滅の為か、その封筒はひとりでに燃え始めて灰となった
「リンッ!!?大丈夫!?」
ハリーは慌ててリンの手を見た
傷はそんなに深くないようだけど、血が出ている
ローブから杖を出して、ハリーは呪文を唱えた
「フェルーラ!巻け!」
シュルルルルと白い布でリンの手を巻いた
だけど、血はジワジワと滲んでいる
「早く、医務室に行こう」
ハリーはリンの手首を引っ張った
だけどリンは動こうとはしなかった
「行かない・・・。大丈夫だから・・・」
「でもっ!血が出ているんだよ!!?」
ハリーは信じられ無いという顔でリンを見た
リンは目に涙を浮かべながら、必死に泣くまいと我慢している
初めて見たリンの涙に、ハリーは言葉が出なかった
手首を掴む力が緩む
「本当にありがとう、それじゃあ・・・」
ハリーの手を振り解き、リンは足早に寮へと戻っていった
真っ黒になった封筒の灰が、風に乗って空へと消えていった