リンはハリーを振り切って走った
真っ直ぐに寮に戻りたかった
何も考えたくなかった
あまり人に会わないように、人気の無い場所を走った
ドンッ
誰かにぶつかったけれど、そのまま走り抜けようとする
でも、それは叶わなかった
リンは手首をしっかりと掴まれていた
「Miss,シンジョウ?」
そこに立っていたのは、怪訝そうに眉を寄せるスネイプだった
リンは思わぬ人に呆気にとられる
スネイプはリンの瞳から溢れている涙に眉間のシワを深くした
「何故・・・泣いているのだ・・・?」
そう言ってスネイプはリンの涙を手で拭う
冷たい手の感触に、リンはビクッと避けてしまう
スネイプは胸に棘がズキッと刺さるような感覚を覚える・・・
スネイプはそれでも尚、零れ落ちる涙を拭う
「何があったのだ?」
心配しているような声色で呟かれるスネイプの声に、リンは安心した
我慢しているのに、さらに涙が溢れてしまう
「・・・・・ぁ、・・・あたし・・・、もっ・・・・・、」
何から伝えれば良いのか、どうすれば良いのか
良く分からないけれど言葉にしようとするが、上手く話せない
スネイプはそんなリンを引っ張った
ポスンと、スネイプの胸に収まって、リンは慌てた
だけどスネイプはそんな事を気にする様子も無く、柱の影にもたれ掛かって
リンの背中を、子供をあやす様に撫でた
「・・・我慢するな。泣きたい時は思いっきり泣けば良い・・・」
「・・・・・・・ふぇ・・・っ、ぐすっ・・・・うっ・・・」
スネイプの心地よいヴァリトンを聞いて
リンはせきを切ったかのように泣き始めた
スネイプの手は、いつまでも優しくリンの背中をあやしていた