フワフワと立ち上る湯気と、甘いミルクの香りで
リンは落ち着きを取り戻していた
パチパチと燃える暖炉の火も、スネイプの自室をポカポカと暖める

だけど、リンは目の前にある紅茶に手を出せないままソファに座っていた


「どうかしたのかね?紅茶が冷めてしまう・・・」

そう言ってスネイプは怪訝そうにリンの顔を覗く
泣き腫れて真っ赤になった目元を見られまいと、リンは思わず手で隠した
だけど、その手に巻かれているのは
血で紅く染まっている、布・・・
スネイプの眉が、更に深く不機嫌そうに寄った


「何だこれは?」


ぐっとローブを押さえて、ゆっくりと布をはずしていく
露になったのは、複数の切り傷のある小さな手
血は止まっているが、傷が赤くみみず腫れになっていた

「これは・・・・・・、誰かから怨みを買ったのか?」
「・・・・・・」

リンは無言で俯いた
スネイプはそんなリンを見て、ハァとため息をついた

「左腕の傷が良くなったと思えば、次はこれか?」

「・・・・スイマセン・・・」


そう言いながらスネイプは、傷薬をどこからともなく出して治療を始める
リンは申し訳なくなって、小さく謝る
スネイプは手際よく、薬を塗っていた

「・・・・・・もしまた怪我をしたならば、此処に来るが良い。
・・・・・・君用に作った薬は、まだ余っている」


スネイプの耳がほのかに赤くなる


リンはスネイプの顔を見た
手を治療している為、顔は下を向いているが
紅く染まっているのが分かる

リンはクスッと笑みをこぼした
スネイプは、サッと顔を上げリンの顔を見る

そしてスネイプも思わず、リンと共に笑みをこぼした