こんこん、
軽快に、だけど少し控えめなノックの音が響いた
スネイプは大広間に行かずに、自室で軽食を食べ、紅茶を飲んでいた所だった
「(こんな時間に来るのは、・・・彼女しかいない)」
そう思うと自然と気持ちが軽くなり
ノックした相手を確認しないまま、扉を開けた
だけど、そこに立っていた人物を見て、眉をひそめた
「ふふっ、こんばんはァ。スネイプ教授」
「・・・・・・・君は・・・・」
「先生ったら、大広間にいらっしゃらないんですものォ。探しましたわ」
そこに立っていたのは、彼女ではなく
スリザリンのネクタイをつけている、自寮の4年生
名前は・・・覚えていないが、純血の名家の一人娘だったはず
期待を裏切られたからか、なかなか働かない頭を動かし、冷静さを保つ
「いきなりどうしたのかね?」
「はい、先生にお願いがあるんです」
そう言いながら、少女は了承を与えるぬまま、部屋へと入った
そして、彼女の場所に悠々と座った
あの、ソファに・・・
「おい、勝手に・・「ワァーっ、初めて入ったァー。」
舌っ足らずな甘い声を出し、言葉を遮る
「先生、あのォ、クリスマスにあたしのパートナーになってください。」
そして、上目遣いでこっちを見つめた
バラのむせ返るほどに甘ったるい強い香水が香る
少女は妖美に微笑み、男を誘う術を使いこなしているようだった
「先生?」
ふふっと、彼女とは似ても似つかない笑い方で笑い
ソファから立ち上がって、自分の方へとゆっくり近づいてくる
少女との距離はもう30cmもない位だった
眉間のシワを思いっきり深くし、少女との距離を取ろうと思い肩に手を掛けた
そして言葉を出そうと口を開いた
その瞬間
ドサッ、と何かが床に落ちる音がして、サッと素早く音の方を見る
開きっぱなしのドアの向こうに立っていたのは
呆然とこちらの様子に目を見開いたままの、彼女・・・
リン・シンジョウだった・・・