リンはたった数秒の沈黙に耐え切れず、目を瞑った
スネイプの表情を確認する勇気がなかったし、何よりも恥ずかしかった
顔が、真っ赤になっているのが分かる
すると、その瞬間、リンの体は急に腕を引っ張られ、そのまま抱き支えられた
驚きに目を見開くと、視界が、黒に覆われる
そして耳元に囁きかけられる、声
「あの手紙の内容は真実か?」
甘く、切なく、儚げに響いた
初めて聞く、スネイプのその声に胸が高鳴った
リンは声を上手く出して答える事が出来ずに、弱弱しく頷いた
スネイプはそれを確認して、腕の力を軽く強める
「どんなに悩んだか、どんなに苦しんだか・・・
我輩は、教え子と教師という関係を壊すのが怖かった・・・」
その声は本当に、苦しさを含んでいるように聞こえて、リンは切なくなる
「押さえ込んでしまおうと、遠くから見ているだけでも良かったのだ・・・・
だけど、出来なかった・・・・・っ」
腰に回されていた手が片方、頭の後ろに回され、優しく撫でられた
大切なものを扱うように
「・・・・シンジョウ、君を・・・、君の想いを有難く受け取るとしよう」
すると、スネイプはリンを抱きしめていた腕を放し、距離を取った
そして忠誠を誓うナイトの様に跪き、リンの片手を取った
優しく、その手の甲に、冷たい唇が押し付けられる
スネイプは顔を上げ、真剣な眼差しでリンを見る
口元は相変わらず、意地悪そうに笑みを刻んでいたままだった
「我輩の、パートナーになって頂けますかな?」
すると、リンの瞳からせきを切ったように、大きな涙が溢れ出た
ぽたぽたと床に染みを作る
だけど、視線だけは真っ直ぐスネイプへ注いだまま、首を縦に振って答えた
「・・・・はいっ・・、勿論です!!」
スネイプは、頬に熱が帯びるのを感じた
涙を流しながら、満面の笑みを浮かべたリンは、とても美しかった
おもむろにスネイプは立ち上がり、リンの頬に手を添えた
そしてリンの瞳から零れ落ちる涙を拭い去るように、優しく取り除いていく
リンはスネイプの指の冷たさが心地良くて瞳を閉じた
「もう、泣くな。瞳が腫れてしまうではないか」
「先生の指がとても冷たいので、きっと大丈夫です」
リンはふふっと笑って、スネイプを見た
すると自然に、リンを見ている幸せそうな優しげな瞳と目が合う
2人は思わず、一緒に笑った
end ??